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鹿児島県川内市の川内川河川敷で、毎年8月16日に開催されている花火大会がある。県内有数の規模なので毎年多くの見物客が訪れるのだが、今年は特に、鹿児島市内の花火製造業者による爆発事故の影響で多くの花火大会が中止になっていたため、通常通り開催の決定は、花火ファンにとって期待の膨らむこととなった。加えて今年は、8/13(水)から続いたお盆休み期間とあって、これまで仕事の都合でどうしても見に行く気力に乏しかった私達夫婦も、今年は気合を入れて見に行こうではないかと、一念発起した次第である。交通手段としては、運営委員会のホームページに「車で来られた場合、鹿児島市内からだと往復6時間以上かかることがあります!」との警告があったので、ここはひとつ賢い選択をと、JRで行くことを決意した。後日知り合いの方も行かれたということで、「どうされました?」と聞いたところ、「終わったあとは向こう(川内)に泊まってきましたよ」とのこと。もちろんその方が賢いんでしょうがね。お金持ちはいいなぁ・・・。

−出 発− 西鹿児島駅に集合!
お盆休みは、本来ならば実家にUターンしてご先祖様を迎える用意でもするのであろうが、今年も昨年同様、堂々のIターンであり、北九州地方を中心に2泊3日で遊び呆けてしまった。この旅行のメインイベントが「第19回関門海峡花火大会」であり、関門海峡を挟んで同時に5ヶ所くらいから次々と打ちあがる花火の競作を存分に楽しんできたばかり。この上さらに花火を見に行くかということであるが、例年必ず2回は花火大会を訪れる私達にとって、まだまだ物足りないのである。従って今年も実家に帰省しなかった反省の意味を込めて、今回の川内川花火大会においては、妻のご両親を誘ってみた。結果的に私達夫婦と、妻のお母様、叔母様の四人で、17:01西鹿児島駅発、満員御礼の鈍行列車に揺られて、一路川内駅に向かったのであった・・・。

−到 着− 川内はなぜか大雨!?
1時間ほどの道中は、運よく若者に席を譲っていただいたお母様を除いて立ちっぱなし。手足がしびれて震え始めるころ、小雨がぱらつきだした川内駅に到着。コンビニに駆け込み傘を求めるがすでに完売のため、川内市最大のショッピングスポット「川内山形屋」まで歩くこととなった。運良く残り数本の折り畳み傘をゲットしたはよいが、雨脚は次第に強まり、天候的には花火大会どころではなくなりつつあったのだが、それでもせっかくここまで来たのだし、もし中止になっても温泉にでも浸かって帰ろうという前向きなお母様の発言に助けられて、なんとか花火大会会場の近辺までたどり着いた。とにかく雨がしのげる場所を探して、JAと九州電力の営業所のような場所を確保し、私達は営業所の軒下、母達はJAのエントランスに分かれて、とりあえず用意した夕飯を食べることとなった。JAの方が駅に近いので、帰るときは私達がJAに立ち寄って母達を拾うということで打ち合わせも完了。あとは花火大会、決行か中止なのか、さっさと決めてくれ〜。

−胎 動− それは決まっていた物語。
母達が用意してくれた弁当はなかなかおいしく、これが暗くて狭い軒下でなければ最高なのだがと毒づいていると時刻は19:00。運動会よろしく、ピストルが数発響き渡る。これはつまり、決行って事?外は豪雨なのに!?確かに交通整理のおじさんの話では、ここまで準備したのだからおそらく中止はありえないということであったのだが、さすが川内、豪気だね〜、あきれたね〜という感じ。それでも開始時刻の19:40が近づくにつれて、次第に雨が止み、雲が流れ、空が晴れ渡ってくるから不思議である。冒頭で紹介した、殉死の花火師たちの流した悔し涙だったのではないかと思ったのは、おそらく私だけではないだろう。何より直前の雨のおかげで、空のスモッグがきれいに洗い流され、近年まれに見る美しい花火大会になったことは言うまでもない。

−開 始− 世界に一つだけの花”火”!
19:40、何事もなかったかのように、予定通り、第45回川内川花火大会が始まる。開催に先立ち、花火師たちを弔う十発の花火が静かにカウントダウンを奏で、お盆を締めるビッグイベントを引き立てる。沈んだ気持ちを吹き飛ばすかのように、花火が、目の前で、上がった!!私達が選んだ観覧場所は、川内川沿いでなく、川内川に合流手前の隈之城川沿い、母合橋の先であったのだが、初めての参加にしては偶然にもベストポジションをキープしてしまっていたのだ。大音響をバックに、24mm広角レンズのフレームに入りきらないほど、大きく大きく拡がる花火。これまで見たことのないような大迫力に圧倒されつつも、肉眼とレンズ越しと半々で、美しい花火に見入った。来てよかったぁ、待っててよかったと、心底思わせてくれる、大きな花火であった。

−撮 影− 花火鑑賞の醍醐味。
いつもの花火大会と同様、三脚を立てレリーズ(リモコンシャッター)を握りしめ、来るべき決定的瞬間を待つのだが、上がる間隔が短いのと花火のスケールがでかいのとが相まって、なかなか思い切ってシャッターが切れない。いつもは撮影7に鑑賞3の割合なのだが、この際撮影を4くらいにして、しっかり肉眼で楽しもうと思う。それでも数枚は撮影に成功したので、よろしかったらフレーム上のギャラリーをのぞいてみていただきたい。でも、正直あの迫力を、写真で伝えるには到底腕が至らず、次回に備えてカメラの腕も、磨いておかねばなるまいなと思った次第である。

−撤 収− 始まったばっかりなのに?
華麗な花火はしかも、音楽に合わせて次々と上がる。3組の花火業者が競い合う、壮大なショーを思わせる花火のリズムに、もう歓声が止まらない。テーマパークにも負けないイベントが無料で楽しめるのは、やはり川内市民の努力のたまものであろう。貴重な時間を体験させてもらった私達は、来年はもっと気合を入れて来よう、そう、泊まりも辞さないで!と固く心に誓って、列車が混むのを避けるために20:30、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にした。私達はせいぜい90分程度で終わるのであろうと思っての20:30撤収であったのだが、駅に着いてしまっても鳴り止まない花火。実は21:40まで行われる長丁場だったらしいのだ。ますます来年が、楽しみなわけなのである。

−再 会− 余韻に浸る暇もなく・・・
先ほどの約束どおり、途中のJAで母達を捜したが、いくら探しても見当たらない。母達の性格をよく知る妻は、それでも信じられない面持ちで立ちすくむ。JAから花火を見ると言っていたのに、まさかいないなんて・・・。その場で待つこと20分、会場のほうからにこやかに歩いてくる二人の姿が。すごかったねぇ〜なんてのんきに笑う二人に、妻は我々の心配を訴えるのだが、ともわれ無事に合流できて良かったと、いそいそと川内駅に向かって歩き出す。私達の位置からは名物のナイアガラの滝は見えなかったのだが、母達はしっかり見届けてきたらしい。このたくましさはしっかり見習わないといけないなと思う次第である。

−復 路− まつりの後・・・
皆考えることは同じのようで、道路にはすでに人波や車の列ができつつあり、駅に着いたら人だかりができている始末。あらかじめ往復で切符を購入していたので、入場制限をしている改札口にすみやかに並ぶのだが、母達はトイレを待つというので、お疲れ様ということでそこで一応解散となった。ホームに入場を果たすと、人ごみを掻き分けて一目散に奥の乗り口へ突き進む。鈍行なのに7両編成、しかも始発ということなので余裕で乗れるらしいのだが、帰りはなんとしても座ってゆっくりしたいという思いから、かなり奥の比較的空いている列をキープして、22:05発の列車を待つ。列車がホームに滑り込んだ瞬間、乗り口に殺到する人波に紛れ、なんとかボックスシートを確保でき、相席も許可して半分眠りについた。涼しいクーラーの風に揺られながら・・・。

−終 章− 来年も、行きたい!!
23:00に西鹿児島駅に到着。フィルムが1枚余っていたので、なんとか再び母達と合流して記念写真を撮りたいと思い駅の出口で待っていたところ、相変わらず大きな声で談笑している二人を発見したので、撮影をお願いして、無事に今日を締めくくることができた。第1回かごしま錦江湾サマーナイト花火大会の三尺玉の迫力にも感動したが、今回の花火は文句なくこれまでで1番壮観な花火大会であった。来年こそは最初から最後まで見られるよう、今から情報を集めて、対策を絞っていきたいものである。花火は、作るのも見せるのも命がけ。それに魅せられる私達は、いつのまにか、削られた命の破片を感じ取って、花火大会に群がるのだろうか。瞬間の美学に、これからも群がっていきたいものである。それが、明日の「生」への、力となることを信じて・・・(すまん、言い過ぎたm(_
_)m)。 −完ー
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